今回はスタジオジブリの2013年公開作品「風立ちぬ」についてのお話です。風立ちぬは宮崎駿さんが監督を務めています。
第二次世界大戦で使用された日本の戦闘機”零戦”の設計をした堀越二郎が主人公で同時代を生きた堀辰雄という小説家の恋愛模様を加えた物語です。
二郎の夢に向かって努力する姿と、ヒロイン菜穂子との恋愛にとても胸を打たれる作品でした。
今回は主人公の二郎の行動で話題になった喫煙のシーンについて考えていこうと思います!
風立ちぬはタバコを吸いすぎ!喫煙を助長してる?
先週録画した風立ちぬを観る。劇中の喫煙シーンが未成年に悪影響を与えると公開時批判があったようだ。
しかし戦前は喫煙者が多く、時代背景を表すには必要な描写だと感じる。
昭和12年のオール松竹にもスタア達が小粋にタバコを吸うショットが載っていた。 pic.twitter.com/YRiGqgnqQX— Japan and Europe (@japan_europe) April 18, 2019
この映画では二郎をはじめとする多くのキャラクターがタバコを吸うシーンが描かれています。
作品が公開されてからは喫煙シーンについてはかなりの議論になりました。
禁煙を推進するNPO団体の「NPO法人日本禁煙学会」はタバコのシーンがとても多いために要望書をスタジオジブリに提出しています。
逆に愛煙家の団体「喫煙文化研究会」は、映画の舞台となった戦時中の日本では男性の喫煙率は84.5%にものぼると言われており、映画の描写は至極当然であると指摘をしました。
私が実際にこの作品を観た時は、一切気になりませんでした。もちろん言われてみるとかなり喫煙シーンは多いです。
しかし、それが助長しているという考えにはなりません。
その時代の生活をリアルに描こうとして描かれた描写だと考えています。
https://animodra.com/kazetachino-tsumaranai/
風立ちぬ|堀越二郎が吸ってた銘柄はチェリー
「火が移るぞ、東京壊滅だ」ってセリフ言わせながらタバコに火をつけるってセンスがすさまじすぎる#風立ちぬ pic.twitter.com/8ltWT8djDZ
— 綾【ゼロ速】 (@saebaaya753) April 12, 2019
二郎が作中で吸っていたタバコの銘柄は”チェリー”です。
現在は生産が終了してしまっている銘柄なのですが、このチェリーは生産終了になるまで宮崎監督が吸っていました。
宮崎監督もヘビースモーカーで耳の上にタバコをひっかけながら仕事をしている姿が印象的です。
そんな宮崎監督が好きだった銘柄を作品の主人公である二郎に吸わせていたのかもしれませんね。
ちなみに宮崎監督は風立ちぬ制作時を描くドキュメンタリー映画”夢と狂気の王国”のなかで、”セブンスター”という銘柄を吸っています。
ただチェリーへの思い入れが強いのか、スタジオジブリ美術館の仕事場を再現した展示にはチェリーの箱が置かれています。
結核の菜穂子の隣で二郎がタバコを吸ったのはなぜ?
作中で最も物議を醸したのが結核を患っている恋人・菜穂子の寝ている隣で手を握りながらもう片方の手で二郎が喫煙をするというシーンです。
先ほどお話しした「NPO法人日本禁煙学会」の要望書でもこのシーンが問題視されていました。
他にもネット上には映画を観た人の中にこのシーン批判的な意見があります。
実際に作品を観た皆さんはどう感じましたか?
なぜ菜穂子の隣で二郎がタバコをわざわざ吸ったのかということですが、二郎はタバコを吸うために一度席を立とうとしています。
そんな二郎に対して、菜穂子が「構わないからここで吸って」と言って止めているのです。
つまりこのシーンは、タバコを一服するわずかな時間さえ2人にとって大切な時間で、もうわずかしか2人で過ごす時間が残っていないということを表しています。
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まとめ:風立ちぬのタバコ喫煙シーンについて
今回は風立ちぬの主人公・堀越二郎の喫煙シーンについてお話ししました。
確かに最近の喫煙に対する世間のイメージはとても厳しくなっていますし、敏感になってしまう話題ではありますよね。
しかし、風立ちぬは100年近くも前の時代を描いている作品です。
明らかに現代よりも当時の人々にとって喫煙という行為は身近なものでした。
当時の生活をリアルに描くためにどうしても必要な描写だったのではないでしょうか?
こういった作品を観て「喫煙を助長しているから改善しろ!謝罪しろ!」という批判的な意見を持つのではなく、「こういう時代もあったんだな」ぐらいに考えてもっと映画の本質的な部分に目を向けられる見方をして行けたらなと感じます。