平成狸合戦ぽんぽこには様々なキャラクターが登場しています。
今回は多摩ニュータウンの開発を阻止すべく、多摩のたぬき達が化け学復興と自分たちの森を守るための助っ人として連れきた三匹の化けだぬきの一人である“はげだぬき”ついて解説したいと思います。
平成狸合戦ぽんぽこ|はげだぬきとは
風狸、「不死」であり玉藻前にも知られてるということは、頭領格の大狸だよね😊
ぽんぽこに出てきた隠神刑部(左)と太三郎禿狸(右)を足して割ったようなビジュアルだといいなぁ☺️#陰陽師 pic.twitter.com/IrL7Cx8Zkf
— ぽニキ☆THE千日狸 (@tanpo3nta) April 11, 2020
作中に出てくる“はげだぬき”こと太三郎禿狸は讃岐の国、現在の香川県で伝承されている化けだぬきをモデルにしたと言われています。
この化けだぬきは太三郎狸(たさぶろうだぬき)または箕山大明神(みのやまだいみょうじん)と呼ばれており、今も四国八十八か所の84番札所である屋島寺の敷地内に箕山大明神として祀られています。
社に続く赤い鳥居の両サイドには子だぬきを抱く雌たぬきと共に夫婦たぬきの像が建立されました。
この屋島寺の太三郎狸には縁結び・家庭円満・子宝と言ったご利益があり、今も地域の方たちから深い崇敬を集めています。
また太三郎狸は化け学に秀でており、四国三大狸(伊予の隠神刑部・阿波の金長狸・屋島の太三郎狸)に数えられるだけでなく、淡路の芝右衛門狸・作中にも名前のみ登場した佐渡の団三郎狸と共に日本三大狸にも名を連ねています。
さらに伝承によると、平家の平重盛(平清盛の息子)が瀕死のたぬきを助けてやり、そのたぬきは恩返しに平家の守護を誓ったとされており、平家が滅亡した後も屋島に住みつき世の中の凶事や争いを察知し屋島寺の住職に知らせに行ったとされ、そのたぬきの子孫が太三郎狸と言わています。
この作品に出てくるはげだぬきは化けだぬきの中でも齢999歳の最高齢です。
若かりし頃は平安時代末期の武将那須与一を見物していたといわれ、平家物語に出てくる扇の的を馬にまたがり矢で射貫く流鏑馬のシーンも盛り込まれています。
平成狸合戦ぽんぽこ|はげだぬきは新興宗教の教祖?
四国からやってきた長老タヌキには、#高畑勲 監督の希望で上方の落語家や俳優に出演をお願いしています。六代目金長は3代目 #桂米朝 師匠、太三郎禿狸は5代目 #桂文枝 師匠の2人の重鎮が、そして隠神刑部は「裸の大将放浪記」などの名優 #芦屋雁之助 さんが演じています。#平成狸合戦ぽんぽこ pic.twitter.com/4KroHXnj2j
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) April 5, 2019
人間の行う森林伐採や住宅開発のための自然破壊に抵抗するために長老狸の隠神刑部は呼ばれました。
そして、長老狸の隠神刑部は妖怪大作戦で力を使い果たして絶命します。
六代目金長狸は狐と共に人間の社長から多摩のたぬきの逃走資金として多額のお金を巻き上げることに成功していました。
しかしはげだぬきは助っ人として大きな成果も出せないままで、自身の無力さを痛感していました。
権太たちの命がけの特攻により多くのたぬきが命を落としてしまったことが追い打ちとなり、ショックでもうろくしてしまったかのように踊念仏を唱え始めます。
変化もできない並みのたぬき達は将来への不安から、何かすがるものが欲しかったのでしょう。
踊念仏の新興宗教の教祖として並のたぬきを従えて、はげだぬきは一心不乱に
“この世は闇じゃ 泥船じゃ 念仏唱えて ただ踊れ 南無阿弥陀仏 お陀仏じゃ”
と踊念仏を唱えました。
ここがきっかけとなり、新興宗教の教祖が誕生したのです。
平成狸合戦ぽんぽこ|はげだぬきが慕われてる理由と能力について
<太三郎狸/屋島の禿げ狸> 讃岐国屋島に伝わる化け狸で、日本三名狸の一つ。屋島寺で蓑山大明神として祀られる。1.#屋島寺 蓑山大明神像 2.『#平成狸合戦ぽんぽこ』太三郎禿狸(中央) pic.twitter.com/s9Qwx87T91
— 妖怪・霊獣・異形の神仏 (@riox5555) August 15, 2021
はげだぬきの能力は秀でた変化術です。
作中ではげだぬきはいくつもの変化術を披露しています。
例えば、キンタマを広げ隠神刑部と六代目金長を乗せて魔法の絨毯のように浮遊したり、正吉に
「若き日にご覧になった那須与一がみたい」
と言われると近くにいた権太を馬に変えて矢をつがい見事扇に矢を的中させて見せたり、妖怪大作戦の際にはたぬきたちを次々にシャボン玉で包んで浮かせ百鬼夜行へといざなったりしました。
そして最後には、変化できない並みのたぬきを従えて広げに広げた八畳ほどの大きなキンタマを宝船に変えて死出の旅へと出港しました。
新興宗教の教祖として求められるのは強烈なカリスマ性だけでなく、貧・病・争などの苦しみから多くの者を救いたいと思う気持ちが必要不可欠と言われています。
はげだぬきは変化できない並みのたぬきにとって唯一の頼れる存在でした。
またはげだぬきも変化能力を持たない並みのたぬきで、且つ狭い土地で食料争いなどの同族間での揉め事をしたくない弱い立場のたぬき達を見捨てるようなことが出来なかったのでしょう。
はげだぬきが慕われる理由がここにあるような気がします。
はげだぬきは変化できない並みのたぬきの魂を救うべく、明るく陽気に歌い踊りながら入水し集団自決をしてしまいます。
奇しくも平家物語の終盤に源氏軍に追い詰められた平家軍も入水自殺を図っており、平家物語を忠実になぞらえているようです。
また慕われるのはたぬきからだけではありません。
作品中はげだぬきがみんなから誕生日をお祝いしてもらう場面があります。
その際、キンタマを二つの風船にして背中に天使のような小さな羽をパタパタさせながら嬉しそうに巨大ケーキのほうに飛んでいくチャーミングな姿も。
このシーンはファンにとって、思わず笑みがこぼれる大好きなシーンの一つです。
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まとめ:平成狸合戦ぽんぽこの禿狸について
弱者を見捨てるようなことが出来ず現実を憂い、踊念仏で極楽浄土へと導く新興宗教の教祖となったはげだぬき。
並のたぬきを引き連れて集団自決というカルト教団のような最期となってしまいましたが、チャーミングなはげだぬきやたぬき達の変化術など見どころ満載の作品です。
本記事で知り得た情報を頭の片隅に置き、今一度「平成狸合戦ぽんぽこ」をご覧になってみてください。
新たな魅力が見つかるかもしれません。