ジブリの人気作品である『猫の恩返し』。この作品の主な登場人物は猫、猫、猫!
タイトルに「猫」が含まれていること、舞台が「猫の国」であることを鑑みると、当然ですよね。
しかし、猫の国の王宮シーンでは、なぜか犬が登場しています。
今回は、なぜ猫の国に犬が存在しているのかを考察していきます。
猫の恩返し|王宮シーンで登場する犬の種類を考察
猫の恩返しに犬おるの初めて気づいた🐶 pic.twitter.com/4gLef9eNKh
— あっかん (@gami_asu) August 24, 2018
王宮シーンで登場する犬は、「目、口の周りの毛が長い」「猫と同じくらいの大きさ=小型犬」でした。
これらのヒントから犬種を探してみたところ、2つ候補が見つかりました。
候補1 ルーカステリア
引用:ワン・ニャン図鑑
小型犬であること、目が隠れるほどの長めの被毛の持ち主であること、また口の周りの毛の生え方も似ています。
ルーカステリアは、ネズミ、アナグマ、カワウソを狩るのに使われていました。
候補2 アイリッシュ・グレン・オブ・イマール・テリア
引用:en:User:Sannse
こちらの犬も、まず見た目が似ています。そして、ルーカステリア同様、猟犬として活躍していました。ですが、狩る対象は異なります。
アイリッシュ・グレン・オブ・イマール・テリアは、地中でも地上でも狩りを行うことができるため、地中猟ではキツネやアナグマ、地上ではネズミや野うさぎを獲るのに使われています。
情報が多くないため、犬種を確定することは難しいですが、どちらにしても共通して言えるのは「ネズミを狩る猟犬」だということです。
もし、作中の犬が候補の犬種のいずれかの場合、猫の大好物であるネズミを狩るための実猟犬として、猫の国に連れてこられたという見解もできるのではないでしょうか。
猫の恩返し|猫の国なのに犬が登場するのはなぜ?
ハルたちがやってきた猫の国に住んでいるのは、もちろん猫たちです。猫の国を治めている王も、王に仕えているのも、猫です。
そんな猫の国に言わば無理やり連れて来られて泣いてばかりいるハルを元気づけるため、猫王は芸人を呼びました。
玉乗りや、スルメ投げなどの芸を行い、観客を喜ばせる芸人たちの中に、最初の見出しで紹介した「犬」がいたのです。
この犬が、二足歩行ではなく四足歩行であること、首輪をつけられていることから、犬が芸人というよりも、あくまでも「動物」として存在していると考察できます。
動物に芸をさせて観客を喜ばせる獣使いが、犬に芸をさせていると考えるのが一番自然です。そうなると、どうしても犬よりも猫の方が立場が上のように思えてしまいます。
では、どうして猫の国に犬がいて、さらには立場が猫の方が上なのでしょうか。
この疑問点について、「ムタ」に着目して考察していきます。
猫の恩返し|ムタの正体
ムタはただの大きな猫さんではありませんでした。本当の正体がナトリによって、終盤に明かされます。
「この国の歴史、最悪の事件。(中略)湖の魚を食い尽くして逃げたという、大犯罪者!」
なんとムタは、猫の国の住人を脅かした犯罪者だったのです。
そして興味深いのが、この天井に描かれた絵。画像には載っていませんが、右側になんと犬の絵が描かれています。
ぜひ実際に作品を見てみてください!
天井の絵には、猫を上に乗せて二足歩行でムタに背を向けて立っています。
なんだか、私にはムタを擁護しているように見えました。もし、ムタの行為を止めようとしているならば、ムタの方を向いているのではないかと。
以上のことから、昔から猫の国には犬も存在しており、猫と同じ二足歩行であったということが考察できます。
ですが現在の猫の国にいる猫たちは、二足歩行で、服を着て、言葉を話しているの対し、王宮シーンで登場する犬は、四足歩行で、首輪をつけて、言葉を発している場面は描かれていません。
もしかしたら、この対照的な描写は、ムタを擁護した罪と関係があるのかもしれません。
猫の恩返し|他の動物は存在する?
さて、それでは猫や犬以外の動物は存在するのでしょうか。
作中に出てくる人は、
- 「吉岡ハル」…主人公の女子高生
- 「ハルのお母さん」…パッチワークの仕事をしている
- 「ひろみ」…ハルの友達
- 「町田くん」…ハルの意中の人
そして、
- 「バロン」…猫の事務所の主。普段は人形の姿をしている
- 「ムタ」…バロンの仲間、大きな猫
- 「トト」…バロンの仲間のカラス。普段は石像の姿をしている
- 「猫王」…猫の国を治める王様
- 「ナトリ」…猫王の第一秘書
- 「ナトル」…猫王の第二秘書
- 「ルーン」…猫王の息子
- 「ユキ」…ハルに助けられた猫
こうしてみると、「人」と「猫」以外に「カラス」が存在しているのがわかります。
「猫」と「カラス」は、仲が悪い生き物として有名です。
実際、作品の中でもムタとトトがよく喧嘩をしています。
バロンと喧嘩をしないのは、彼が本当の猫ではなく人の手で作られた人形だからでしょうか。
ムタとトトが言い争っている、喧嘩をしている、そういう場面を見ると、なんだか安心します。
それに対し、王宮シーンの犬と猫たちの関係性には、どうしても違和感を感じてしまいます。
ムタとトトの絡みがある場面は、猫の国ではなくハルたちが住む現実の世界。
こちらの国では、「猫」と「カラス」が現実味溢れるものであるように、「犬」と「猫」の関係性も現実味溢れる関係なのではないでしょうか。
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まとめ:猫の恩返しの犬について
いかがでしたか。今回は「猫の恩返し」の猫の国に犬が登場している理由について考察しました。
猫の国に犬がいる理由は、ネズミを捕獲するためということも考えられますが、それよりも過去に犬が犯した過ちが大きく関係しているのではないかと思います。
なんだか、猫の国での犬の描写は、「猫の方がすごいんだぞ!」「過去に受けた屈辱は忘れないぞ!」と主張しているように思えてなりません…。
「犬の復讐」なんてことが起こらないことを願います。