ジブリ作品の中でも大人気を誇る耳をすませば。
作中ではスルーしがちの場面でもよくよく見てみると「おや?」と思うシーンはいくつかあります。
お父さんが雫に言い放った「戦士の休息」といった言葉、皆さんは違和感を感じませんでしたか?
そこでこちらの記事では雫のお父さんが言った「戦士の休息」の意味について考察してまいります。
耳をすませば|お父さんが戦士の休息と言ったシーン

聖司がバイオリン職人になるための修行の一環として2ヶ月間のイタリア留学をしている間に、自分も才能を試したいと思った雫は、以前から興味を持っていた物語を書いてみること決心します。
中間テストが近いにもかかわらず、テスト勉強もそっちのけで物語の執筆に没頭する雫。
当然、成績はどんどん落ちていき、母や姉からは、受験を控えるこの時期に勉強よりも優先してやることなのか、と咎められます。
そんななか、図書館で執筆に勤しむ雫の姿を見ていた父は、雫の想いに理解を示し、背中を押してくれます。
そして、なんとか物語を完成させた雫は、完成したら最初の読者になってもらう約束をしていたバロンの店のおじいさんのもとへと向かいます。
おじいさんは、
「荒削りだが、原石のような魅力がある。まるで聖司のバイオリンのようだ」
と、約束通りに物語を書きった雫を称えます。
おじいさんから温かい言葉をもらいながらも、自らの作品がまだまだ未熟であることがわかっていた雫は、堰を切ったように涙を流します。
その後、夜遅くにおじいさんに車で送られて帰宅した雫は、自分の部屋に入るや否や、全てを出し切ったかのようにそのままベッドに倒れ込み、眠ってしまいます。
お風呂に入るようにと声をかけに行った父は、そんな雫の姿を見て、「戦士の休息だな」とつぶやき、優しく布団をかけてあげるのです。
耳をすませば|戦士の休息の意味とは

「戦士の休息」という言葉を実際に使ったことがあるという人は少ないのではないでしょうか。
実際に、「耳をすませば」を観た人の中では、「戦士の休息」ではなく、「天使の休息」と聞き間違えていた人もいたようです。
ただ、「戦士の休息」と聴き取れたとしても、その意味をすんなり理解できなかった人もいるのではないかと思います。
では、そんな「戦士の休息」という言葉を、雫の父はどのような想いや意味合いを込めて使ったのでしょうか。
母や姉に反対されながらも、勉強をそっちのけにして自分の才能を試すべく物語の執筆に挑戦する雫。
それは他の誰かに強制されたわけではありません。
自分で設定した課題を自らに課すという、まさに自分との戦いです。
そんな雫に理解を示して背中を押した父の気持ちは、物語の執筆という戦いに娘を送り出すような気持ちだったのではないでしょうか。
そして、物語を完成させた後、倒れるように眠る雫の姿が、父の目には、まるで戦場で戦いきって倒れるように休む戦士のように映ったのではないでしょうか。
それで思わず「戦士の休息だな」とつぶやいてしまったのではないかと思います。
耳をすませば|戦士の休息の元ネタについて解説

「戦士の休息」という言葉は、辞書で引いても直接的な意味は記載されていません。
ネットで検索してみても、これといった有力な情報源は見当たりませんでした。
しかしながら、この言葉が使われる文章や場面から推測するならば、戦場で休む間も無く戦い続ける戦士が、
「このままでは無理にでも休まないと身体がもたない、まさに身体が限界まできている」
という状態にとる束の間の休息のことを指しているのではないかと考えられます。
それは、あらかじめ決められた時間に用意・計画してとるような休息ではなく、次の戦いに向かうための体力を回復するための、あくまでも意図していたわけではないけれども、突発的に発生した休息のことだと推測されます。
また、一般的には、「戦士の休息」という言葉は、他人から見ても本当にがんばっていた人がしばし休みをとることに対して、労いの意味を込めても使われる言葉のようです。
「耳をすませば」の作品中で、中学3年生の雫が、出来上がった物語の内容は未熟ながらも、途中で投げ出さずにやりきるのは本当にすごいことだと思います。
そして、その娘の努力を雫の父も認め、労う気持ちがあったのでしょう。「戦士の休息」というのは、戦い疲れて倒れた戦士のように眠る雫に対してかける言葉としては、ぴったりの表現だったと思います。
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まとめ:耳をすませばの戦士の休息の意味
作品中では、寡黙で言葉数の少ない雫の父ですが、だからこそ、ひとつひとつのセリフに深みを感じます。何気ない一言ですが、普段あまり使われない「戦士の休息」という言葉がさらりと出てしまうあたり、雫の父の語彙力の高さが伺えますね。さすが図書館司書という仕事をしているだけあるなと思いました。「戦士の休息だな」という父のセリフは、一生懸命がんばった娘への、父からの愛情のこもった労いの言葉だと感じました。