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千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し|湯女の正体がナメクジなのは本当?なぜモデルに採用したのか

千と千尋の神隠しに出てくる湯女(ゆな)の正体が、ナメクジだと知っていましたか?

なぜ宮崎駿監督は湯女をナメクジに設定したのでしょうか。

実は、その理由には現代社会への強烈なメッセージが込められていたのです。

湯女とは

江戸時代初期に始まった、温泉宿で男の人の背中流し・垢流しなどと一緒に売春をする女の人のことです。

現代のソープランドのようなものですね。

労働してきた男の人にとって、湯女の存在は癒しであったと考えられます。

 

当初は、売春の制度を取っていなく、背中を流したり、垢を流す程度のサービスでした。

けれども、徐々に体を売るサービスが浸透していき、表向きはお風呂でのサービスのみで、裏では売春をしていたといいます。

当時の江戸では、そのようなサービスを独占して良いのは吉原だけでした。

 

それにも関わらず、湯女を目当てに温泉宿へ出向いた男の人は多かったようです。

この状況に危機を感じた幕府が、湯女の制度を廃止にし、湯女の歴史は幕を降ろすことになります。

千と千尋の神隠しの中でも、大勢の湯女が働いているシーンが出てきますが、宿の売り上げは湯女がほとんど貢献していると言っても過言ではありませんでした。

 

客の体を洗うだけではなく、効率よく客を回すために人数制限・時間制限などを決めて段取りもしていました。

仕事量の多さからも、皆かなりテキパキと働いていたのではないのでしょうか。

そう考えると、たしかに映画の中で出てきた湯女たちも、強気でテキパキとしていますよね。

湯女の正体はナメクジ

物語の中で、湯女がナメクジだということは紹介されていませんが、彼女たちの正体はなんとナメクジなんです。

たしかに、人間の千尋と比べると、異様に大きい顔や3頭身くらいの不思議な体型をしているところからも、人間ではないことがわかります。

 

同じく湯屋で働いているカエル男たちと比べると、ナメクジにあまり寄せているようには見えませんが、結びつけるとするとどことなくヌメッとしているところが似ているかもしれません。

ナメクジの角がないフォルムも、面長の曲線を描いた顔のフォルムと結びつけているような気がします。

ナメクジをモデルにした理由

宮崎駿監督は、なぜ湯女をナメクジにしたのでしょう?

監督のインタビューによると、現代の女性は湯女のように男に体を売る人がとても増えてきていてまるでナメクジのように見えるということです。

このような社会現象に、気味悪さや異様さを感じている監督自身の皮肉を込めたメッセージですね。

 

映画が公開した2000年初期では、援助交際が盛んとなっている世の中でした。

援助交際がどういうものか知っている人は多いと思いますが、要するに、女性が男性に体を売る行為のことです。

そのようなシステムは、名前が変われど、いつの時代にも存在するものです。

現代ではパパ活にあたるものではないでしょうか。

 

そのような社会を、監督は[風俗営業そのもの]だと思っていて、現代の女性が性風俗にまみれた社会で生き抜いていかなければならないことを指摘しています。

その中で、性風俗に飲み込まれてしまった人のことを、監督はナメクジのようだと発言しているのです。

 

映画の中では、派手な格好をした湯女たちが、豪華な湯屋の中で切磋琢磨働いているという一見華やかな光景に見えます。

けれども、その湯女たちの正体は所詮ナメクジにすぎないというかなり強烈な皮肉を感じますね。

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まとめ:千と千尋の神隠しの湯女

湯女ナメクジの裏背景が、江戸時代にまで遡り、さらに現代にまで結びついていることに強いメッセージを感じたのではないでしょうか。

千と千尋の神隠しには、そういったメッセージがまだまだたくさん散りばめられています。

次に鑑賞する際には、ぜひ湯女ナメクジに焦点を当てて、新しい発見を見つけてみてください。

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