昭和63年(1988)に公開されてから、令和3年(2021)に至っても人気の途絶えない、スタジオジブリ制作の大人気長編アニメーション「となりのトトロ」。
本作の主人公であるサツキとメイのお母さんの草壁靖子は病人として登場します。
ここでは彼女の病気について考察していきます。
となりのトトロ|お母さんの病気は何?
作中において、お母さんの病名は明かされていないため、実際の病名は不明です。
なので、となりのトトロの時代設定から、病気を推測していこうと思います。
となりのトトロの時代設定は、昭和28年(1953)とされています。
これは、監督である宮崎駿氏がインタビューで答えていることから、確かな情報です。
さて、日本の歴史上の主な死亡原因についてですが、1930年代から戦後のしばらくは結核が死因第1位の病となっています。
結核は、結核菌という細菌による感染症です。
感染者のくしゃみや咳により、体外に排出された結核菌が、空気中を漂う事で感染を広めていきます。
トトロの時代設定である1953年はちょうど結核が蔓延していた時代です。
そして、お母さんが入院していた病院の七国山病院のモデルとされていたのが新山手病院という病院で、ここは長期的に結核の療養を必要とする人のための療養所として使われていた病院であり、当時は東洋一の規模を誇っていました。
それらを踏まえると、サツキのお母さんは結核だったのではないかと思われます。
結核の症状はカゼと似ており、せき、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くのが特徴です。
作中で、お母さんの入院が遅れた理由が風邪でしたが、もしかしたら、結核が再発したという理由で退院が延長されたのではないかと考えられます。
となりのトトロ|お母さんが田舎の病院に入院している理由
結核感染者の対応のひとつとして、隔離対応がありました。
そのため、田舎の山奥の病院に入院していたのではないかと思います。結核の約8割は肺への影響です。
結核菌が肺の内部で増え、様々な炎症が起こり、呼吸する力が低下します。
また免疫力が低下する事で発症する細菌でもあります。
以上から、肺を休ませるため、また免疫力の低下による合併症を防ぐために空気の綺麗な田舎の病院で入院していたのではないでしょうか。
別の観点から考えてみます。サツキのお父さんは、大学の非常勤講師をしていました。
非常勤講師というくらいですから、安定な収入は少なかったかと思われます。
国からの補助である国民全員に保健医療サービスおよび医療費補助を提供する仕組みは、昭和36年(1961)になってからです。
妻を設備の整ったより良い病院に入院させる費用を自分ひとりで工面出来なかったとしてもおかしくありません。
費用的な面で、田舎の病院で入院させる事になったかと思います。
となりのトトロ|その後は死んだのか病気が治ったのか
病気は治ったと考えられます。
本作のエンドロールで、タクシーから降りてきたお母さん及び、お母さんと一緒にお風呂に入るサツキとメイの描写がある事から、退院するに至ったと考えられます。
作中において、お母さんのお見舞いに来ていたサツキ達は、マスクや感染予防用の防護服は着ておらず、お母さんの病室は他の人と同じ相部屋のようになっていたことから、そこまで結核が進行していたわけではない(またはほぼ完治していた状態であった)と思われます。
そして時代背景である昭和25年(1950)に日本国内において治療薬であるストレプトマイシンの生産が始まり、同時に結核予防法 による公費治療が導入され、化学療法が全国に普及していきました。
その普及により、サツキのお母さんは無事に退院できたと思われます。
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まとめ:となりのトトロのお母さんの病気について
ここで紹介したお母さんの病気についてですが、作中では紹介されておらず、さらにはスタジオジブリからも公表されていないため、推測の域を出ない話にしかなりません。
しかし公表されていないからこそ、見る度に新しい発見があり、その発見の度に新しい仮説がうまれていきます。
簡単には理解し難い、裏設定がある作品だからこそ、本作は30年以上経っていても愛され続けている作品なのだと感じますね。