スタジオジブリの長編アニメーションである「平成狸合戦ぽんぽこ」。
人間と狸(または自然)との共存を視聴者に投げかけた作品です。
この作品では、狸達が、人間達に狸の力を誇示するため、妖怪大作戦という作戦を実行します。
ここでは、その妖怪大作戦について紹介していきます。
平成狸合戦ぽんぽこ|妖怪大作戦(パレード)とは

多摩丘陵のニュータウン開発、さらには山林の開発に反対するという事を目的とした狸達の反対デモのような活動です。
この作戦は四国の三長老である屋島の禿、阿波の金長狸、松山の隠神刑部達が中心となり実行されました。
この3人は、神社仏閣にまつられ、人間にあがめられているほどの存在です。
現に、四国ではこの3人の存在により人間による森林の開発があまり進んでいません。
四国の人間達は狸を怒らせたら、どんな災難がふりかかるかをよく理解しているためです。
つまりこの作戦は、開発に対する反対行動を起こし、開発を中止にさせるだけではなく、今後の新しい開発などをさせないために、人間達に狸を怒らせたらどうなるかを思い知らせる作戦でもあるのです。
今の問題だけではなく、未来の問題に対しても狸達は考えてこの作戦を実行していたんですね。
作戦が成功した時には、人間達が狸に対する尊敬と畏怖の念を持つはずでした。
平成狸合戦ぽんぽこ|妖怪大作戦(パレード)が失敗した理由

本作をご覧になった方はご存知かと思いますが、作戦は失敗に終わりました。
理由は、人間達に今回の作戦を利用されてしまい、妖怪大作戦が狸達がやった事では無く、人間が仕掛けたただのパレードのようにされてしまったのです。
当初は、人間達が真相究明をすればするほど、自分達が目にし耳にしたものは、決して幻では無く、認めざるを得ない事象である事を理解し、さらにはいかなる科学も合理的解釈も、この事象を解き明かせない事を理解するはずでした。
そして、狸達は、人間達が森羅万象の神秘に驚き、いかに自分達人間が小さき存在かを思い知るだろうと考えていたのです。
しかし、結果は180度違う方向になりました。
なんと人間側は、妖怪大作戦を多摩ニュータウンの近くに建設中のワンダーランドのパレード宣伝だとテレビで進言したのです。
この進言により、狸達の総力を結集した妖怪大作戦は失敗に終わりました。
自分達が成した事をそのまま横取りされてしまったのです。
子供ながらにこのシーンで悪い人が世の中にはいるなと思いました。
人の成功を横取りして、我が物にするような人間にはなりたくないですね。
ブラック企業の上司みたいな大人はごめん被りたいです。
平成狸合戦ぽんぽこ|百鬼夜行についても調査

百鬼夜行というのをご存知でしょうか。
百鬼夜行は、古くから日本で語り継がれてきた鬼や妖怪の群れが、深夜に徘徊をすること、又は彼らの行進の事を指します。
転じて、多くの人間があやしいおこないをしているさまを表現する事だとしても使われています。
妖怪大作戦は、百鬼夜行をモチーフにしていると言っても間違いは無いと思います。
実際に作中では、多くの妖怪が人間達の前に姿を見せます。
そしてその中には、ジブリらしい描写もあります。なんとジブリのキャラクターが、この作戦に登場しています。
『となりのトトロ』のトトロや『おもひでぽろぽろ』のタエ子、『魔女の宅急便』のキキ、『紅の豚』の飛行機サボイアです。
登場は一瞬ですが、ジブリファンにとっては笑みが出てしまう瞬間ですね。
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まとめ:平成狸合戦ぽんぽこの妖怪大作戦
百鬼夜行を元にした思われるこの作戦は、狸達としては、大成功の力を発揮することができました。
しかし、最後の最後で、狸達では無しえない、メディアという力を人間達に使われてしまい、あっさりと敗北してしまいました。
このシーンは、人間の根底にあるズル賢い所を上手く描写しているなと思いました。宮崎駿氏の手腕に脱帽です。