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もののけ姫

もののけ姫のハンセン病患者は治ったのか?タタラ場を描いた理由と宮崎駿の思いを調査

ジブリ作品の中でも根強い人気を誇る「もののけ姫」。

アシタカが滞在したタタラ場には、ハンセン病患者と思わしきキャラクターたちが登場しています。

今回はそのハンセン病患者である「病者」に注目し、もののけ姫の世界観や、宮崎駿監督が何を描きたかったかを解説していきたいと思います。

もののけ姫|タタラ場のハンセン病患者は治ったのか

映画のラストシーンではシシ神に首を返すと、森やタタラ場に風が吹き渡ります。

シシ神が起こした風のおかげで死んだ森は生き返り、アシタカの呪いも消え去りました。

その時、ハンセン病患者として描かれているタタラ場の「病者」も病気が治っている素振りを見せる描写が存在します。

顔を隠していた布は外れ、包帯が巻いてあった両手は素肌が見えています。それを驚いたように見入る病者が映っているのです。

一方、エボシ御前が失った片腕は欠損したままでした。

このことから、シシ神の力は存在しているものを元通りに治すものだと考えられます。

そのため病気や呪い、骨折などの症状は消え去りました。

おそらく描かれていない他の病者たちも症状が消えていることでしょう。

しかしエボシ御前の腕のように、既に失ったものはたとえ神であっても復元することは出来ないようです。

そこにもまた宮崎駿監督の物事の捉え方が現れているように思います。

ハンセン病は現在では治療薬が開発され後遺症もなく治る病気になりました。

資料館に足を運び、実際にハンセン病を患っていた人たちと交流をした宮崎駿監督だからこそ、「もののけ姫」の中でもハンセン病は治るという答えをハッキリ描いたのかもしれません。

今はまだ治療薬が見つかっていない病気でも、いつの日か治る未来がくるかもしれないと、そういう希望が込められているように感じます。

もののけ姫|ハンセン病患者の登場シーン

タタラ場に滞在しているアシタカは、エボシ御前の案内で集落の様子を見て回ります。

鉄製品を製造する作業場の後に訪れたのが、ハンセン病患者と思わしきキャラクターたちの仕事場です。

作中では「病者」と呼ばれ、集落から少し離れた一角に病者たちは隔離されそこで仕事をしていました。

 

病者たちは目の部分だけを残して全身を包帯に巻かれています

顔を隠し、肌を隠し、薄暗く静寂な部屋で黙々と与えられた仕事をこなしていました。

中には身体の一部が欠損していたり、わらの上で寝たきりのままの重症な病者もいます。

 

先程アシタカが見学した鉄製品を製造する作業場は、和気あいあいとしており活気に溢れていましたが、ここは違います。

少しぎょっとしてしまう病者の見た目と、重苦しい雰囲気の空間。

 

「エボシ御前のみが自分たちを人として扱ってくれた」

とアシタカに語る病者は「長」と呼ばれていました。

長は目の部分も包帯で覆われ身動きが取れず寝たきりの重症患者です。

しかしそんな姿になっても

「生きることは誠に苦しく、辛い。世を呪い、人を呪い、それでも生きたい」

と語る長の姿には考えせさせられるものがありました。

もののけ姫|ハンセン病を描いた理由とは?宮崎駿監督の思い

宮崎駿監督はこの「もののけ姫」という作品にハンセン病患者を描いた理由を講演会でたびたび語っています。

宮崎監督が引っ越して来た場所のすぐそばには、かつてハンセン病療養所がありました。

差別の象徴でもある療養所、それが自分の住んでいる町に存在したことを知っていた監督は、この「もののけ姫」という時代劇を描くに当たり、

「武士や百姓だけが登場する作品を作るのは間違いだ」

と思ったそうです。

 

この国で生きてきた人たちは武士や百姓だけではありません。

その階級からあぶれた人たちもまた一生懸命、命を燃やしながら生きていたのにその存在を無視して作品を作ることは間違いだと思ったようです。

そうしてもっと自由な時代劇を作りたいという想いから生まれたのが「もののけ姫」です。

 

自由に世界を作るならば、その時代に存在していた「ハンセン病」にも向き合わなければならないと感じた監督は、資料館に足を運びます。

そこで山のようにある患者たちの生きた証を見た監督は「おろそかに生きてはいけない」と思ったそうです。

もののけ姫は、ポスターのキャッチコピーにもあるように「生きる」が大きなテーマとなっています。

もしかしたらそのテーマは、ハンセン病を通して監督が感じたものが反映された結果なのかもしれません。

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まとめ:もののけ姫のハンセン病

もののけ姫はテレビ放送などで触れられる機会が多いため、見たことのある人が殆どだと思います。

しかし今回のように特定のキャラクターに焦点を当てるとまた違った見え方になり、より「もののけ姫」の世界を深く理解できます。

作中では、生きることについて登場人物の様々な見解が伺えます。皆どんな立場や、姿になっても譲れないものがあり、それによって互いに衝突しながら生きていく。

その「生きる」という誰しもに共通する大きなテーマは、大人になったからこそ改めて共感できる部分があると感じました。

これを期にまた一から見返すと子供の頃見たときとは違う、また新たな物語として楽しめるかもしれませんね。

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