スタジオジブリ長編アニメーション「魔女の宅急便」。
本作には、原作があるのはご存知でしょうか。原作者は角野栄子さんという方です。
宮崎駿氏は魔女の宅急便をアニメ化するにあたり、原作をあまりなぞらない点で角野氏と何度か衝突があったそうです。
ここではそれについて紹介していきます。
魔女の宅急便|原作者が激怒した理由とは

実際、角野氏は作品を見て、激怒まで至ってはおらず、不快感程度に受け取っていたようです。
その理由としては、自身が執筆して来た作品との内容の乖離です。
角野氏は映画を見た後のインタビューで、
「もっと可愛いラブストーリーの映画になると思っていた」
と語っています。
アニメ化するにあたり、少なくともこれだけは守って欲しいという注文をしたそうです。
- タイトルと名前を変えない
- キキという少女の世界観を変えない
- キキが旅立つ時にキキの故郷の木に付けられていた鈴を鳴らすこと
というものでした。
上記の3点は注文通り守られましたが、その他の点でやはり原作との乖離が生じ、角野氏自身、難色を示していたそうです。
作品が映画化されるというの喜ばしい事です。
ただし、それが自分が描いていた作品とマッチングするとは限りません。
海外においても映画の製作側と原作側で衝突する事があります。
映画化というのは本当に難しい事なんですね。
ファンとしても映画化が嬉しい反面、原作通りに映画化されるのか不安になるときもありますからね。
他作になりますが、るろうに剣心とかは、原作と乖離し過ぎていないからこそ、売上が伸びているのだと思います。
魔女の宅急便|原作と映画との違いは?

原作との違いについて、いくつか紹介させていただきます。
①キキの髪型
原作のキキはロングヘアーで黒いリボンを付けています。
しかしジブリのキキは短い髪で大きな赤いリボンです。
作画の段階で、技術的な難しさから、短くなったそうです。
②トンボの性格
原作では、飛行クラブで魔女のホウキを研究している気の弱い少年として登場します。
しかし映画では真逆の明るい性格で描かれています。
これはこの作品が放映された現代で「明るくて頭がいいけどちょっと不良」という男の子がモテるという時代背景があったため、それを基にトンボの性格が描かれたそうです。
③黒猫のジジとの会話
映画では空を飛べなくなったキキが、ジジと話せなくなってしまうのは有名なシーンです。
色々な人と出会い、映画の最後にはまた飛べる力を取り戻しますが、ジジは最後まで「ニャ~」と言うだけで話せないままでした。
原作ではそのような事はなく、またジジと会話ができるようになります。
④飛行船の救出シーン
映画のクライマックスである飛行船からのトンボ救出シーンですが、このシーンに関しては完全にジブリのオリジナルで原作には一切出てきません。
魔女の宅急便|原作はこんな人にオススメ!

原作の「魔女の宅急便」は全6巻で構成されており、魔女のキキが10歳から35歳になるまでの姿が描かれています。
魔女の宅急便はキキの伝記みたいなものですね。
そして映画ではその中でも1〜2巻までの話を参考にしています。
飛ぶ力を取り戻したキキが今後どうなるのか、映画を見て想像したファンの方がたくさんいたと思います。
そのような方はぜひ原作を読んでみてください。
上述した通り、映画とは違う事が多々ありますが、それを加味しても楽しめる作品かと思います。
だからこそ、未だに人気が劣らない作品かと思います。
ちょっとネタバラシになりますが、原作では、キキは結婚を経験します。
そして子供も産み、その子供が大きくなり、キキのように旅立っていきます。
想像しただけでも面白そうですね。
アニメのその後を知りたい方はぜひ原作を読んでみてください。
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まとめ:魔女の宅急便の原作との違い
角野氏はアニメを見たときに、「ん?」と不快感を抱いたことは確かです。
しかし、その後のインタビューで、
「わたしのキキはわたしの中にいるんだけど、宮崎さん(アニメ化)のキキ、蜷川さん(ミュージカル化)のキキ、清水さん(実写化)のキキっていうのが、またそれぞれ違って面白いかな」
と答えています。
いろんなキキが生み出した最初のキキをぜひ原作から読み取ってみてはどうでしょうか。